当山は時宗の遊行三十一代「同念上人」(どうねんしょうにん)によって開基された、中国地方でも僅かしか残っていない時宗の寺院でございます。
時宗は鎌倉時代、伊予の豪族であった河野氏出身の一遍智真上人によって開かれた「鎌倉新仏教」の一つです。浄土宗・法然上人の弟子である証空上人に師事し、浄土宗西山派の法脈を継承しておりましたが、その後一切衆生の救済の願を立てて諸国を行脚、熊野大社にて大神の託宣を受けて立教開宗されました。
以後、宗祖上人は全国を行脚して念仏札を配って歩き、踊り念仏を行って布教活動を展開し、人々より支持を頂きました。
一時期は隆盛期を迎えて、全国に多数の時宗寺院および念仏道場が存在していましたが、時代とともに衰えを見せ始め、現在では全国的にも時宗寺院は数少なくなりました。
しかし、広島県尾道市には奇跡的にも未だ六カ寺の時宗寺院が存在し、檀信徒の皆様だけでなく、地域社会の皆さま・観光客の皆様などにも支えられて現在も宗門の興隆に努めております。
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